必要とされたい

私の存在とはどういうものだろう。

私が知り合った、全ての人。
まだ出会わない、ただ一人の人。
そして……いつかできるかもしれない、家族。

その人たちにとって、私はどう映るのだろうか。

力とか、働きとか、そういうのも大事だと思う。
けれどそれ以上に…レイ・フェイクという存在として。
この人格も含めて。

私は、他者にとって必要な存在となりたい。

いつか…。そういつか。
今すぐにいきなり変わるなんて、そんなのは無理だ。
そんなお手軽な物じゃないはず。生きることって。必要とされることって。

だって、信用も勝ち取れないままで、必要とされるのは難しいから。
信用がないなら、それは必要とされてるんじゃない。利用されてるだけ。
そんなものに意味は無い。

私は私自身に、私だけの価値を持ちたい。
私だからこそと言ってもらえるような価値を。

そんな価値が私にあるだろうか？

ただそこにいるだけなんてイヤだ。
それは置物と同じ。
そこに何の意思も存在しないなら…。

生きている必要はない。

何もせずに立ち尽くすだけでは意味がない。
そんなものは人形だってできる。
動くなら意志を持って動こう。
黙るなら意思を持って黙ろう。
たとえ失敗しても、やり直すための努力を。
それが何故必要なのかを考えながら。

私は生きている。
命をもってこの世界に生まれた。
生み出された。
それがどんな理由かはまだわからないけれど。
たとえそれがどんな理由でも。

生きる意味は自分で見つける。
生み出されたのは他人の意思で。
けれどその先は自分で決める。
生きるも死ぬも全て。
他の誰でもなく、私が決める。

私がここにいることも。
きっかけは『彼』の言葉。
けれど私がこの国を、カーシャを気に入った。
だから。…決めた。
この国に留まることを。
今までは、この先のことを決めかねていた。
だから公的なことにはできるだけ関わらないでいた。
でも少しずつ動き出そう。

私にできることを。
私の意志で。

そう、私は人形ではない。

たとえ作られた存在だとしても。
私自身が望んで、今ここに生きているのだから…。