あまりに美しい夜空に

ええと、タイトルも内容もＲＰのようですが、ＰＬ話です。

帰宅途中、空を見上げた。
今夜…正確には明日の朝方らしいけど、満月だと言うことを知っていたから。

月を探せば、すぐに見つかる。
漆黒に浮かぶ淡い金色の月。
それを眺めながら、公園で煙草を吸っていた。

今日は12/31。
今年最後の夜だ。

なんとなく携帯を取り出して写真をとる。
携帯なんかの写真デは、あんなに大きく見える月も、ただの光の点にしかならないけど。
最後の日の、あの綺麗な月の、欠片でも残したくて。

今年１年ありがとう。
また来年もよろしく。

本来は家族や知人に言う言葉。
今は月に投げかけて。

今年は仕事の関係で、実家には帰れない。
今日から５連勤。
そんな最初の日に、外に飲みに行く気力もない。
飲むなら家でも飲めるし。
特別な日ではあるけど、いつものように過ごしたい日でもある。

とりあえず今日明日は実家に電話して、簡単な話をして。
年があけたら、最初の休みの日に顔を出しにいこう。
来年はどんな年になるだろう。
今年は本当に激動の一年だったな。

うん。
健康だと言うこと。
五体満足だと言うこと。
自分の足で歩ける。走れる。
それがどれだけ幸せかと言うことを思い知った年でもある。

過ぎた幸せを望むほど欲張りではない。
極普通の生活を、極普通に送りたい。
これから先もずっと。

煙草を吸い終えて、自転車に乗って。
そのまま家に続く川沿いの道を走る。
向かう先は太陽の沈む方角。

背後では完全な夜だと言うのに、向かう方向にはまだ昼の名残が残っている。
太陽の残滓を覗かせて、薄墨に沈む家並み。
けれどその名残りすら、時間ごとに消えていき…やがて完全な夜となった。
今年最後の太陽は、この町から完全に隠れてしまった。
また明日会おう。
新しい年の、最初の太陽として。