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6月の花嫁と未来の幸せ
6月の花嫁は幸せになるという。
その話をしてくれたのはロストだったっけ。


単に、商業戦略で、こじつけられただけとか。
あるいは、6月は気候が穏やかで天気がいい日が多いから、という理由だとか(これは国や地方によって大き

く変わるだろうけど)。
神話の結婚生活の守護神たる女神の名前がつけられた月だから、とかいう説が一番それっぽいか。

幸せになれるという話のある6月に結婚したいと思うのは、やっぱりみんなの夢なのかも知れない。
この月にも、一組のカップルが誓いを立てて夫婦となった。

新郎新婦、どちらも知り合い。
友人の結婚式だから、それなりにおしゃれしてお祝いに駆けつけさせて貰った。
厳かに進行していったくせに、ブーケトスには鉄アレイが飛んだりもして、なかなかスリリングな式だったけれど

……だからこそ楽しめたと思う。
こういう式なら楽しいかもしれない。

そんなことを思って。
ふと、自分だったらどんな式がいいだろうかと考えた。

自分の結婚式なら……。

「……みゅう」

思わず苦笑する。
相手もいないのに、馬鹿な事を。

でも、いつか……と願う。
いつか心から愛する人とめぐり合い、祝福の中、最良の日を迎えることを。
人生の墓場だと言う人もいるけれど、やはりまだ自分は結婚というものに夢を持たずにはいられない。
自分が自分だけのものではなくなるその日を。

「ロストはどうなの?」

自分の保護者は、結婚というものをどう捕らえているのか。
それを少し聞きたくなった。

「どうって……何がだ?」

聞きたいことを綺麗に省略した質問にロストはお手上げと言う表情を見せた。
そうだった、と笑って、レイは自分の考えとロストへの質問を最初から説明する。
ロストは複雑そうにそれを聞いて、考えながら答えた。

「お前の考えは……まぁ、女だしいいんじゃね? でも俺は……」

何を続けようとしたのか。
無意識に頭を降り、小さな溜息をついたロストは、何かを諦めているように見えた。

「今更結婚なんてものに夢は持てないな。俺がいつか負わなきゃいけない義務のひとつだろう」

何かを思い出すような、遠い瞳。
なぜ、今更などと言うのだろう。
もしかしたら、過去に何かあったのかもしれないが……
痛みを内包するその顔を見れば、その理由を聞き出すのは難しいように思えた。

けれど。
どうしても気にかかることはあった。

「義務……なの?」

愛し愛されて結ばれる……レイの持つ結婚のイメージからは、余りにも遠い言葉だ。
お互いの感情が最優先されるべき結婚を、義務と言い切るロスト。
夢を持たないということは、幸せを期待していないということではなかろうか。
それではロストだけじゃなく、相手も幸せになれないんじゃないのか。

「世の中にはいろんなしがらみで、子をなすことが必須の存在もいるんだよ。それは俺だけじゃない。こういうのはそういう者同士がひっつくものさ。ああ、心配するな、相手には最大限の誠意を持って接するつもりだから」

ロストはそう言って例の頭を撫でた。
子ども扱いされるのは癪だが、この保護者からしたら、自分など生まれたばかりの赤子同然だろう。

「よく、わかんないけれど」

そう言い置いて、レイは自分の考えを口にする。
ロストが今現在どういう立場にあるのか。
それを直接ロストから聞いたことはない。
けれどロストによって知識を植えつけられている自分には、一応の判断材料がある。
数年前と今との差がどれだけの差異を生み出しているかはわからないけれど。

「どんな状況であろうと、ロストも、ロストの未来の相手も、そしていつか生まれるだろう子供も……幸せであることを祈るよ」

いつかロストが家族を持った時に、家族と笑いあっていられるように。
支えあい、穏やかに生きていけるように。

ロストの家族なら、レイにとっても家族同然だ。
たとえレイとの血の繋がりがなくても。
異なる世界に生き、共に暮らせなくても。
それでも、レイにとっては家族と認識できる存在なのだ。
その幸せを願わずにいられるわけがない。

「いつか私が結婚するってときになったら、ロストはよくあるお父さんみたいな反応するのかなぁ」

呟けば、ロストは苦笑した。

「娘は渡さんってか? どうだろうな、相手によるかもしらんしな」
「つまり、ロストが認める相手ってこと?」
「そういうことかな。あるいはお前が迷うような相手なら絶対認めんが」

結局は本人達次第ということか。
どれだけ好きになれるかどうか…がネックなのかもしれない。

「いつかそんな人が現れればいいんだけど」

この人ならだいじょうぶと思える人が。
……現れるだろうか?
未来はわからないけど……

『期待したい』
それが本音。
未来は明るいと思いたい。
でも、物事思うようにいかないのも事実。

結局何もわからない。
それでもまぁ、進むしかないのだけれど。

うん…頑張ろう。
そんなことを思った。
いつか幸せな未来を掴み取るために。

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プロフィール
名前:レイ・フェイク
誕生日:08/12/01
HP:水夢 -水の見る夢-
足跡:
42 09 21 06 23 41 42 39 24 17 20 40 42
-NPC-
うさぎ:ライラ、リナ、ルナ、レナ、ロビン
保護者:ロスト
家族募集してみる。
活動範囲が被る人優先。
即決はあまりないけど、まずは気軽に声かけて下さいね。
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