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「つまり、召喚というのは、相手にどれだけ興味と好意を持たせるかによって決まるのよ」
リュークが絨毯の上にちょこんと座りながらレイに説明する。
「レイは正直言って、ドがつくほどの素人よね」
「う゛…そ、そうね…」
「落ち込んでる場合じゃないの。現状を正しく理解することが大事なの」
「はいです…」
「よし。……基本的にね。いまのレイに呼べる相手はいないでしょうね」
リュークはきっぱりと現実を突きつける。
けれどそれは当然のこと。
召喚という能力が自分にあることすら知らなかったレイに、いきなり何かを呼び出せるわけもない。
「召喚はね。相手に声を届け、自分の下に呼び出すの。
自分が行くんじゃなくて、相手に来てもらうわけだから、それなりの行動が必要よね?
傍にいないものを傍に呼び寄せるためには、空間をつないで道を作らなきゃいけない。これには大変な力が必要だわ。
道を作った後も、相手をこちらに呼び寄せるための力が必要。
そして、呼び出した後に、従わせるための力が必要。
全てが終わった後、帰らせるための力が必要。
けれど今のレイには絶対無理。道を作るどころか、相手に声を届けることも難しいわ」
真っ直ぐにレイを見ながら、リュークは続ける。
「では何も呼び出せないかというとそうじゃない。
本来なら何も呼べないはずのレイの声に、私は反応した。
これはね、私がレイの声を拾うために常に意識していて、名前を呼ばれたとわかったら自分で道を作って、自分で傍に駆けつけてくるからなの。
つまりね。相手に空間を飛べる程度の力があり、レイに好意を持っているならば、レイが呼ぼうと思えば来てもらえるのよ」
「それはつまり、相手の好意に甘えるということ?」
「極論で言えばそうね。というか、召喚というもの自体が、基本的には好意によって成り立つものだと思うわ。好意か…あるいは服従か…。私としては、前者がいいわね」
「……服従?」
「そう。戦うかなにかして、自分のほうが力が上だと示した上で、無理やり相手を従わせることもできるってことね」
「それは…嫌かも…」
「うん。まあ、勝手に相手が服従を誓ってくることもあるんだけど、それもある種の『好意』と言えると思うし。
なんにしても、自分ではなく他者の力を借りるわけだから、相手からの好意を勝ち取るのは必須条件と思っていいわね」
「なんか…打算的じゃないかなそれ」
「意識しなくても問題ないわ。でもまぁ言い方が嫌なら、相手と友達になりなさいってことよ」
「ああ、そういうことね。友達が増えるのは凄く嬉しい♪」
「そうね。だから……うん。たくさん作ろうね、友達。寂しいときにもすぐに来てくれて、一緒にお喋りすることもできるようになるから。
そして、遊んでくれるその友達のために、レイの力で呼び出せるようにしてあげないとね。
じゃないと、遊びに来る友達も疲れちゃうもの」
「うんわかった。そういうことなら、私も頑張らないと」
レイは素直に頷いた。
大人びてはいても、やはりまだ経験の足りない子供だ、とリュークは思う。
これからレイには頑張ってもらわないといけない。
まだこの世界の中ですら、道をつなぐことが難しいけれど…いつか。
そう、レイならばいつか……異界との門を開き、道を繋げられるだろう。
『彼』のいる、あの世界と繋がる道を…。
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貴方は 人目のお客様
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うさぎ:ライラ、リナ、ルナ、レナ、ロビン
保護者:ロスト
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